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CROWN English Communication Ⅱ Lesson7/Optional Reading 和訳 [CROWN Ⅱ]

50年前、日本の福岡正信という名の若者が、人生を変えることになる散歩をしていた。田舎道を歩きながら、彼は稲が溝に落ちていて、倒れた稲の茎から生えているのに気がついた。彼は、それが自分に明かされた秘密であるととらえた。

福岡はこの秘密を、自然農法と呼ばれるシステムに作り変えた。それは、彼の側では、何の労力も必要としない。彼は稲とライ麦と大麦を、市販の肥料を使うことなく、耕作も雑草取りもすることなく、同じ畑で育てることができる。

10月に、福岡はクローバーの種子を、立ち並んだ稲穂にまく。そのすぐあと、ライ麦と大麦の種を稲へとまく。(その種を鳥に食べられないように、福岡は泥で種を覆っている。)稲が収穫の時期になると、刈り取って脱穀して、麦わらを畑に投げ戻す。この時までには、クローバーがすでによく育っていて、雑草の成長を妨げ、土壌に窒素を含めるようにしてくれている。クローバーと麦わらのもつれをぬって、ライ麦と大麦が育ち始める。福岡がライ麦と大麦を収穫する直前に、彼はそのサイクルをまた始め、稲の種子を投げ入れる。このようにして、米と冬の穀物は、土地の肥沃さを損なうことなしに、同じ畑で育てられる。

福岡の隣人は興味津津である。彼らは一日中耕したり雑草を取ったり肥料をやったりしているのに、福岡は麦わらとクローバーにその仕事を任せている。世界中の人々が現在、彼の農場を訪れて、彼の農法を学んでいる。

福岡は言う。「この農法は、科学的な農法を放棄するものです。わたしは、機械も市販の肥料も、化学物質も使いませんが、平均的な日本の農家よりも同じかそれ以上の収穫を上げています。その証拠は、あなたの目の前に実っていますよ」

CROWN English Communication Ⅱ Lesson7/4 和訳 [CROWN Ⅱ]

ベニュスは、バイオミミクリが、わたしたちがより自然を意識するようになる助けとなって、わたしたちの生活の仕方を変えるように導いてくれるのではないかと、信じている。わたしたちは、自然を永遠に利用し続けることはできないし、ゴミを環境に捨て続けることもできない。

長すぎる間、わたしたちは、革新的な技術を、それらが良いものかどうか、すなわち、お金になるのかどうかということによって、判断してきた。ベニュスは、わたしたちが地球全体にとって良いものを優先して、そういうものがわたしたち人類にとっても良いものになるのだと信じることを、提案している。新しい問題は以下のようなものになるはずだ。「それはうまく調和するのだろうか? 自然界にこの模範となるようなものがあるだろうか? 地球と将来の世代にどのような負担をかけるのだろうか?」

バイオミミクリは、わたしたちの将来に重要な役割を果たす可能性がある強力な道具である。初期の段階では、非常に広大な世界に、わたしたち人類のほんの少数しかいなかった。今では、わたしたちの人口は急速に増加しており、わたしたちは、環境に対して悪影響を及ぼし始めている。最終的には、わたしたちは、「どのようにして、破壊することなしにわたしたちの故郷の惑星に住むことができるだろうか」という問いに対する答えを探し求めることになるだろう。ベニュスは、バイオミミクリは、単に自然の新しい見方ではなく、地球という惑星でわたしたちが生き残る鍵となるものだと、信じている。わたしたちは、地球で生きることを学ぶ必要がある。地球はわたしたちの故郷だが、わたしたちだけの故郷ではないのだ。

【語句解説】
advantage「利点」 forever「永遠に」 nor「~もまた…ではない」 dump「投棄する」 judge「判断する」 innovation「革新」 cost「負担をかける」
take advantage of ~「~を利用する」 be good for ~「~にとって良い」 fit in「調和する、うまくはまる」
have an effect on ~「~に影響を与える」

PROGRESS IN ENGLISH 21 BOOK4 Lesson8/2 和訳 [PROGRESS 21 BOOK4]

セブからのEメール(2)

サンチェス先生へ

写真を送ります。JPEGのフォーマットは大丈夫でしょうか。

お話しした孤児院は、SOS 子どもの村と呼ばれる多文化組織によって運営されています。ぼくの学校の近くにありますが、まるで100万マイルも離れていると感じられるほど、異なった世界です。そこは、ごく幼い子から、18歳の子までの、多くの子どもたちの家です。清潔で、よく運営されたところです。ここの子どもたちには、学校に行き教育を受ける機会が与えられています。

フィリピンは豊かな国ではありませんが、持ちすぎている人も大勢います。子どもの村の子どもたちのほとんどは、両親がいなかったり、両親に養う力がなかったりという理由から、ここにいます。ここの子どもたちにとって、キャンディーやソフトドリンクのようなものは、本当にご馳走なのです。

子どもの村には、11の家があります。それぞれの家には、ダイニングルームと、子どもたちが眠るより小さな部屋がいくつかあります。マザーとして知られている人は、それぞれの家を1日24時間、管理しています。彼女は、SOSの従業員であり、食事を用意して、およそ12人の子どもの面倒を見ます。フルタイムで働いている人は、20人ほどいます。おさない子供たちは一緒にいて、他の年長の女の子たちが、彼らと一緒にいますが、男の子たちは12、3歳になると、男の子の村に移ります。

ほとんど何も持っていない幼い子どもたちをそれほどたくさん見ることはつらいことですが、彼らと活動することは有意義な経験です。彼らは、来る人をいつも楽しんで歓迎してくれます。ぼくたちは彼らとゲームをしたり、彼らにお話を読み聞かせたりして、ぼくはよく日本のことについて話すように頼まれます。ぼくは最初そこに行くと戸惑っていましたが、すぐに居心地よく感じるようになりました。今では、そこに行くのが楽しみなのです。

ケンタより



ケンタへ

あなたが最後に送ってくれたEメール受け取って、写真をダウンロードしました。その写真こそが、わたしたちが探し求めていたものです。これからも連絡を絶やさずに、写真を撮ったら、もっと送ってください。わたしたちのホームページのニュースレターを必ず見てくださいね。セブの生活のあらゆる面でがんばってください。

サンチェスより

CROWN English Communication Ⅱ Lesson7/3 和訳 [CROWN Ⅱ]

ベニュスは、わたしたちが、解決策が無いからではなく、正しい方向に目を向けていないから、環境問題に直面しているのだと思っている。事実、わたしたちは、自然界にインスピレーションを求めることによって、特にデザインの分野で多くの問題を解決することができる。

日本の技術者はある問題を抱えていた。それは、新幹線がトンネルに入ると、非常にうるさい音を出すということだった。この問題を解決するために、技術者たちは、カワセミという水しぶきをあげずに水に飛び込む鳥に注目した。彼らは、解決策を見つけ出した。技術者たちは、カワセミのくちばしと同じ形に、新幹線の先端を設計した。

ジンバブエのハラレのイーストゲートセンターは、その環境に優しい空調システムで有名である。この建物を設計した建築家たちは、シロアリの塚にインスピレーションを得た。シロアリは、自分たちの塚の小さな穴を開閉することによって快適な温度に棲息空間を保っている。その建築家たちは、同様のシステムをイーストゲートセンターに利用して、電気を節約した。

サメは、地上で最も古い生物の一つだ。サメは、完全に自らの環境に適合している。たとえば、サメの肌の模様は、バクテリアからサメを守るようになっている。科学者たちは、この同じ模様を、学校や病院のような場所でバクテリアを防ぐために、壁面に利用する方法を見つけ出した。

【語句解説】
tunnel「トンネル」 kingfisher「カワセミ」 splash「水しぶき」 beak「くちばし」 air conditioning「空調」
turn to ~「~に頼る」
termite「シロアリ」 mound「塚」 temperature「温度」 shark「サメ」 suited「適合している」 bacteria「バクテリア」
be suited to ~「~に適している」 protect ~ against…「~を…から守る」

CROWN English Communication Ⅱ Lesson7/2 和訳 [CROWN Ⅱ]

ジャニン・ベニュスは、この問題に対する答えは、自然界にインスピレーションを求めることによって見つけられるかもしれない、とほのめかしている。バイオミミクリという言葉は、生命を意味するbioと、模倣を意味するmimesisから来ている。彼女は、自然を模倣することによって、わたしたちは自然に対して優しい方法で生活する方法を見つけることができるはずだ、と言う。というのは、自然は、38億年もの間、生命を支援する環境を維持することができているからだ。しかし、現在、この環境は脅威にさらされている。わたしたち人類は、観察し、自然からインスピレーションを発見しようと努めることによって、環境を維持する方法を学ばなければならない。ベニュスの頭の中にある自然とは、わたしたちの教師であり模範なのだ。

ベニュスは、わたしたちに、いったんわたしたちが自然について学ぶのではなく、自然から学ぶよう努めたら、わたしたちは、センスオブワンダー(※不思議なものを見聞きして感動すること)を感じることだろう、ということを思い出させる。事実、あらゆる種類の動植物が、わたしたちが夢見ることしかできないことを現に行っている。わたしたちが作れる最も良い飛行機よりもすばやく動ける、トンボはどうだろう。3グラム未満の燃料で数100キロメートル飛ぶことができる、ハチドリはどうだろう。自分の体重より数倍重いものを運ぶことができる、アリはどうだろう。それらの動物は、自然を損なうことなく、これらのことを行っているのだ。

【語句解説】
imitation「模倣」 imitate「模倣する」 supporting「support『支援する』の現在分詞」 threaten「脅かす」
look to ~ for…「~を頼って…を求める」 after all「というのは~だから(※前文の補足説明をする)」
dragonfly「トンボ」 hummingbird「ハチドリ」 gram「グラム」 fuel「燃料」 ant「アリ」 weight「重さ」
remind ~ that…「~に…を思い出させる」 dream about ~「~について夢見る」 less than ~「~未満」 many times ~「数倍の~」

CROWN English Communication Ⅱ Lesson7/1 和訳 [CROWN Ⅱ]

科学技術によって、わたしたちは快適な生活を送れるようになった。しかし、時に、わたしたちの技術は自然界を損なってしまう。ジャニン・ベニュスは、科学記者であり、わたしたちの技術を自然に従わせる方法、すなわち、バイオミミクリを提唱している。


地球上に、人類ほど多くのことを成し遂げてきた生物は他に無い。わたしたちは、学校や大学、病院や銀行のような施設ばかりではなく、飛行機や電車、コンピューターに携帯電話、薬に殺虫剤など数多くの役立つものを作り出してきた。それらがなければ、現代社会は存在しないだろう。

これらのものによって、わたしたちはどこにでも移動し、すばやく情報を集め、教育を行い、病気を治すことができる。しかし、わたしたちが作り出したものは、有害にもなりうる。殺虫剤は虫を殺すが、土壌を汚染することもある。わたしたちには車が必要だが、二酸化炭素は、地球温暖化の主要な原因の一つかもしれない。

現在、わたしたちが問うべき問題は以下のようなものだ。「もしわたしたちが自然と調和していきるとしたら、わたしたちの快適な生活様式を保つことができるのだろうか。言いかえると、わたしたちが持続可能な生活を送ることは可能なのか」

【語句解説】
biomimicry「バイオミミクリ、生物模倣技術」 damage「損傷を与える(※人に対しては使わない)」 conform「(型に)従う」 accomplish「成し遂げる」 pesticide「殺虫剤」 institution「施設」 exist「存在する」 harmful「有害な」 poison「毒を与える」 soil「土壌」 CO2「二酸化炭素」 sustainable「持続できる」
No other living thing ~「~する生物は他にない」 far and wide「あまねく」 in other words「言いかえると」

PROGRESS IN ENGLISH 21 BOOK4 Lesson8/1 [PROGRESS 21 BOOK4]

セブからのEメール(1)

ケンタは日本の交換留学生で、セブにあるみなとみらいの姉妹校に通っています。彼は、サンチェス先生に、学校のニュースレターのため、新生活についてレポートを送るよう、求められていました。

サンチェス先生へ

セブでの生活についてご質問くださってありがとうございます。ここに、校内ニュースレターのための詳細を書きます。

こちらでの生活は日本のものとは違いますが、フィリピンのこの地域は、ぼくが見た中で最も美しい場所の一つです。自然が好きな人なら、ここは、必ず訪れるべき場所です。こちらでは、スキューバダイビングや、たくさんのマリンスポーツをすることができます。素晴らしいビーチがありますし、海は青く澄み渡っています。それにロッククライミングをすることもでき、先週、ぼくのホストファミリーは、チョコレートヒルとして知られている場所を見に行きましたが、そこは、小さな丘の集まりで、雨季は緑が茂るのですが、その他の時季はチョコレートのような茶色に染まるのです。そこで、ぼくたちはメガネザルと呼ばれる非常に小さなサルを見ました。それは人の手くらい小さいのです。

ここには多くの島がありますので、どこに行きたいのかを知ることは重要なことですし、ぼくのようにセブに新しく来た人は簡単に道に迷ってしまいます。セブは日本とは非常に異なっています。たとえば、電車がなく、ほとんどの人々が自家用車か、ジープニーと呼ばれる乗り物に乗って移動します。それは、色鮮やかな、大きなタクシーのような乗り物です。

食べ物も色々あります。ドリアンや、スターフルーツや、パパイヤのようなトロピカルフルーツ。肉料理もさまざまで、レチョンといって、豚を丸ごとローストしたものもあります。

フィリピンでは、バスケットボールが最も盛んなスポーツです。サッカーとテニスも行われていますが、バスケットボールには及びません。

学校はまあまあです。授業は短めで、学校が始まるのは早め、日本ほどは、クラブ活動はありません。大きな違いの一つは、勉強しなければいけない言語の数です。英語に加えて、日本語の勉強を継続しなければいけない上に、フィリピン語と中国語の授業を受ける必要があります。

フィリピンでは、貧富の差が大きくあります。こちらに来たばかりの頃、ある日、車で学校まで送ってもらったとき、お金を求めてぼくたちに近寄ってくる人々がいました。彼らは、ぼくたちが渋滞で止まったとき、車の窓をノックしてきました。中には、とても幼い子もいて、ぼくは、9歳ほどの子が物乞いをしているのを見ました。ぼくたちは、このことを、社会科の授業で話し合いました。

ぼくは、社会の先生に、このような子どもたちについてもっと尋ねました。彼らがひどい状況で生活していると聞いて、ショックでした。家は狭く、中には、水道のような生活に最低限必要なものまで持っていない子もいます。先生は、クラスの生徒の中には、地元の孤児院で一カ月に一晩ボランティアに行く子もいる、と教えてくれました。それから、ぼくは、彼らと一緒に、ボランティアに行っています。

明日は、歴史の授業で宿題を提出しなければいけませんので、ここで終わりにしようと思います。クラスのみんなによろしくお伝えください。

ケンタより

PROGRESS IN ENGLISH 21 BOOK4 Lesson7/2 [PROGRESS 21 BOOK4]

最後の一葉(2)

ベールマン老人は、二人の下の一階に住む画家だった。彼は60歳過ぎであり、あごひげをヤギのようにカールさせていた。ベールマンは、芸術の世界では落後者だった。それまで40年の間、絵を描いてきた。彼は常に傑作を描きだそうとしているところだったが、決して描き始めたことはなかった。

ここ数年間は、彼はときどき広告用の絵を描く他は何も描いていなかった。彼は、専門のモデルにお金を払えない、コロニーの若い画家たちのモデルになることで、小金を稼いでいた。ジンを大量に飲んでは、もうすぐ描きだす傑作のことについて話した。彼は、荒っぽい小柄な老人であり、どんな人間にもある穏やかさというものを嫌っており、自分のことを、上の階のスタジオに住む二人の若い芸術家の番犬であると考えていた。

スーは、ベールマンにジョンシーのおかしな願望について語り、彼女がどれほど、実際に葉っぱのように軽くて繊細な彼女自身が、体が弱っていくにつれて、死に近づいているのを恐れているかを話した。

「何だって?」と彼は叫んだ。「いったい全体、葉っぱがツタから落ちたから自分が死ぬんだなんて考える人間なんかいるのかね? そんな話は聞いたこともない。どうして、あんたはそんなバカげたことを考えさせたままにしておくんだ? ああ、可哀想な、ジョンシー」

「彼女はとても具合が悪くて弱っています」とスーは言った。「それに、熱で、おかしなことばかり考えているんです」

「この世界は、ジョンシーのような善良の子が病気で寝ていなければならないところなのか? いつか、わしは傑作を描き、そうして、わしらみんながここを出て行くのだ。そう。そうだとも!」 冷たい雨が降っており、雪も混じっていた。ベールマンは、古い青いシャツを着ており、席につくと、スーの絵のために、ポーズを取った。

翌朝、スーが一時間の眠りから覚めると、ジョンシーがだるそうな大きく開かれた目で、緑の日よけを見つめているのに気がついた。

「日よけを上げて。外を見たいの」と、彼女はささやき声で言った。

スーは言葉通りにした。しかし、ああ、夜通しの雨と激しい突風のせいで、レンガの壁に張り付いているツタの葉は、残り一枚になっていた。それが最後の一枚だった。それは、ギザギザの縁の部分が緑色で、外側は黄色がかっており、勇敢にも地面から20フィート上の枝にぶらさがっていた。

「あれが最後の一枚ね」とジョンシーは言った。「昨晩中には落ちると思ってたわ。風の音を聞いたもの。今日落ちるでしょ。そのとき、わたしも一緒に死ぬのよ」

その日の時間が過ぎ、夜になってさえ、最後の一枚が壁の前でぶら下がっているのを見ることができた。そして、その夜、北風が強く吹きつけ、一方で、雨がまだ窓を打っていた。

明るくなったころ、ジョンシーが日よけを上げるように言った。ツタの葉はまだそこにあった。

ジョンシーは長い間横になったままそれを見ていた。そして、ガスコンロでチキンスープを料理していたスーを呼んだ。

「わたし悪い子だったわ、スージー」とジョンシーは言った。「何かがあの最後の一葉を落とさないようにして、わたしがどんなに間違っていたのかっていうことを教えてくれてるんだわ。死んでしまいたいなんて間違っているのよ。さあスープをちょうだい。それに、中に少しワインを入れたミルクもね――いえ、違うわ。まず初めに鏡を持って来てちょうだい。それに、枕をいくつかね。起き上がって、あんたが料理しているところを見ているから」

一時間後、彼女は言った。「スージー、わたし、いつかナポリ湾を描きたいわ」

医者が午後にやってきた。「五分五分です」と医者は、スーの細い手を取って言った。「十分な看護があれば、あなたの勝ちです。さて、わたしは下の階にいる別の患者を診なければいけません。ベールマン、というのがその患者の名前なんですが、芸術家なんでしょうな、おそらく。彼も肺炎なんです。年を取って体の弱い男性で、病気の進行が速い。望みはありませんが、今日病院に行って、もう少し楽になるでしょう」

次の日、医者はスーに言った。「ジョンシーさんは危険な状態をぬけましたよ。あなたの勝ちです。今はもう栄養を取って、看病してあげること。これだけです」

そして、その日の午後、スーはジョンシーが寝ているベッドに来て、自分の腕を彼女と、枕と何もかも抱きしめるようにした。「話したいことがあるのよ」とスーは言った。「ベールマンさんが今日病院で、肺炎で亡くなったの。寝込んでたのはたったの二日だったわ。管理人さんが、一日目の朝に、下の部屋で痛みでどうしようもない状態になっているのを見つけたの。靴と服がびしょぬれで、氷のように冷たかったんですって。みんな、あんなひどい夜にベールマンさんがどこに行っていたのか、分からなかったそうよ。そのとき、まだ光がついたままのランプとはしごと絵筆、それに、緑と黄が混ぜられたパレットを見つけたの。そしてね……さあ、壁のツタのあの最後の一枚を見てみて。どうして風が吹き付けても揺れたり動いたりしないのかって思わなかった? ああ、ジョンシー。あれはベールマンさんの傑作なの。ベールマンさんは、あそこで、最後の一葉が落ちた夜に、葉っぱの絵を描いたのよ」

PROGRESS IN ENGLISH 21 BOOK4 Lesson7/1 [PROGRESS 21 BOOK4]

最後の一葉(1)

ワシントンスクエアの西にある小さな一画、通りは狂ったように入り組んでいて、「プレース」と呼ばれる小さな区画に分かれている。ある芸術家が、かつてこの地区を見つけて、まもなく芸術家たちが、奇妙な古いグリニッチ・ヴィレッジへ押し寄せて、安い家賃のアパートを探し求めた。

古い三階建てのレンガの建物の一番上に、スーとジョンシーは、スタジオを持っていた。ジョンシーは、ジョアンナのあだ名だった。一人はメイン州出身で、もう一人はカリフォルニア州出身だった。二人は、デルモニコの店で出会って、芸術、サラダ、ファッションに関する趣味が非常によくあったので、共同のスタジオを持つことになった。

それは、5月のことだった。11月に、冷たい目に見えないよそ者、医者が言うところの肺炎が、その地区をうろついて、そちこちで人々に、その冷たい手で触れた。イーストサイド中で、この招かれざる客は、多くの人を病気にしたが、彼の足は、グリニッチのこの狭い迷路のような通りでは、鈍くなったようだった。

肺炎は、いわゆる年老いた紳士などではなかった。温かなカリフォルニアからやってきた血の気の薄い小柄な女性は、公平なターゲットとは言えなかった。しかし、ジョンシーは彼に触れられ、寝込み、動くことさえできなくなって、鉄のベッドの上で、小さな窓から、隣のレンガの家の何もない壁を見つめることになった。

ある朝、忙しい医者がスーを廊下に呼んだ。「彼女が助かる見込みは、十に一つでしょう」と彼は言い、体温計の水銀を見た。「そして、その見込みは、彼女が生きたいと思うかどうかにかかっています。こんな風に患者が葬儀屋の側につこうとしたら、医者は愚かに見えてしまうでしょう。あなたの小さなご友人は、もう良くなることはないと決めてかかっています。彼女が何か心にかけているものはありますか?」

「彼女は、いつかナポリ湾を描きたいと思っています」と、スーは言った。

「絵? それではどうにもなりません。よくよく考えるに値するものはありますか? たとえば、男性、とか」

「男?」とスーは、驚きの声を上げて言った。「その価値のある男なんて……いいえ、先生、そういう人はいません」

「それは残念です」と医師は言った。「わたしは医学に成し遂げられることであれば何でもするつもりです。しかし、患者が自分の葬儀に来る車の数を数え始めたら、医学の力を半分指し引くしかない。もしあなたが彼女に、今年の冬にどんなスタイルが流行るのか、質問をさせることができたら、彼女の助かる見込みは十に一つではなく、五に一つになると約束しましょう」

医者が帰ったあと、スーは仕事場に入って、ナプキンが涙でぐしゃぐしゃになるまで泣いた。それから顔を拭うと、ジョンシーの部屋に、画板を持って、口笛を吹きながら入った。

ジョンシーは、顔を窓に向けて、毛布にほとんど隠れるようにして寝ていた。スーは、彼女が寝ているものと思って、口笛を吹くのをやめた。スーは、画板を構えて、ペンとインクで、雑誌小説の挿絵を描き始めた。スーが一組の美しい馬のショー用のズボンとそのテーマに合う人物、アイダホのカウボーイをスケッチしていると、低い声が数回繰り返されるのを聞いた。スーはすぐにベッドサイドに行った。

ジョンシーの目は大きく見開かれていた。彼女は窓から外を見て、裏庭の何かを数えていた。「12」と彼女は言った。そして、少しして、「11」と、そのあと、「10」、そして「9」「8」「7」と数えていった。

スーは、窓から外を見た。何を数えているのだろうか。見るべきものは、殺風景な灰色の庭しかなかったし、レンガの家の何もない壁は20フィートも向こうだった。とても古いツタが根元のところでねじまがって、レンガの壁の半ばまで這っていた。秋の冷たい風が、その葉をツタから落として、その裸同然になった枝が、崩れたレンガにくっついていた。

「どうしたの」とスーは尋ねた。

「6」とジョンジーは言った。ほとんど囁くような声で。「落ちるのが速いわ。三日前は、100枚はあったのに。数えていると頭が痛くなったのに。でも今は簡単。また一つ落ちたわ。あと5枚しかない」

「何が5枚なの。わたしに教えて」

「葉っぱよ。ツタの。最後の一枚が落ちたとき、わたしも死ぬんだわ。三日前にそう分かったの。医者にそう言われなかった?」

「ええっ、そんな馬鹿な話聞いたことないわ」とスーは、怒りを込めて反論した。「古いツタの葉と、あなたがよくなることにどんな関係があるの? それに、前はあのツタがすごく好きだったじゃない。バカね そんな風に思っちゃだめ。先生は今朝、あなたがすぐによくなる見込みは……ええっと、先生が言ったのは正確に言うと……9割って言ったのよ。ほら、少しスープを飲んでよ。そして、わたしに絵を描かせて。そうすれば、それを売って、わたしの病気の赤ちゃんにポートワインを買えるし、自分にはポークチョップが買えるのよ」

「もうワインを買う必要は無いわ」とジョンシーは言った。目は窓の外を見たままだった。

「また一枚落ちた。スープはいらないわ。葉っぱはあと4枚。暗くなる前に最後の一枚が落ちるのを見たいな。そうして、わたしも死ぬの」とジョンシーは目をつぶりながら言って、彫像のように白くじっとした状態で横になっていた。そうして、続けた。「待つのに疲れたわ。考えることにも。全てを解放して、遠く遠くへ漂っていきたいの。あの可哀想な疲れた葉っぱのように」

「ちょっと眠って」とスーは言った。「絵のモデルになってもらうために、ベールマンさんを呼んで来なくちゃ。一分もかからないわ。わたしが戻ってくるまで動いちゃだめよ」

CROWN English Communication Ⅱ Lesson9/Optional Reading [CROWN Ⅱ]

ロシアによって最初の宇宙船が打ち上げられてから、50年以上になる。4600回を超える打ち上げによって残されたデブリは、深刻な脅威となっている。地球周回軌道上のデブリの量の推計は以下のとおりである。

大きさ    数
10mm    5000万
10-100mm  30万
100mm超  1万2000

直径1cmしかない破片が、時速36000kmで人に当たるとする。それは、時速100kmで走る大型バイクにぶつけられるようなものだ。

スペース・デブリは、スペースシャトルにとって、深刻な問題だった。100を超えるフロントガラスが、飛来するデブリにぶつけられたあと、交換されなければならなかった。最近も、大型の物体が、国際宇宙ステーションのそば、350mしか離れていない地点をかすめた。

問題は、宇宙空間に限られない。ほとんどのデブリは、大気圏に入ると、燃え尽きてしまうが、たまに大きな破片が地上に到達する。1997年1月、アメリカ、オクラホマ州の女性が、空にひとすじの光を見た。そのとき、彼女は、何かが肩をかするのを感じた。それは、1996年に打ち上げられたロケットの一部だった。彼女は、スペース・デブリに当たったことが確認されている唯一の人である。幸運なことに、怪我はなかった。

誰もスペース・デブリによって怪我をした人はいないが、脅威は常にそこにある。2011年9月に、NASAは、機能停止した人工衛星の破片が、地球のどこかに降り注ぐと発表した。NASAは、いつどこにそれらが降るのか、正確には予測できなかった。誰かに当たる可能性は、3200分の1であると推定され、世界中の人々が恐怖した。幸運にも、デブリは海に落ちた。誰にも怪我はなかった。

3200分の1という確率は不安に思えるかもしれないが、心配には及ばないだろう。それは、デブリが人間に当たる可能性だからだ。人間の数は70億を超えるので、あなたにデブリが当たる確率は、22兆4千億分の1にすぎない。これで、リラックスできるだろう。できない人もいるかもしれないが。

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