So-net無料ブログ作成
検索選択
前の10件 | -

CROWN Ⅲ Lesson3/ Section3 和訳 [CROWN Ⅲ]

「あなたは毎日、心臓が重篤な状況にある患者を診て、病院でほとんどの時間を過ごしています。患者に関わるために、あなたがしていることは何かありますか」
 患者と良好な関係を築くこと、そうして、彼らの信頼を勝ち取ることは、医師にとっては非常に重要なことです。わたし自身は、患者の心臓の音を聴くときに、聴診器を手で温めてから彼らの胸に当てるようにしています。それから、わたしは患者にわたしの心臓の音を聴いてもらい、両者の違いを知ってもらうようにします。これをわたしは、医師であるわたし自身と患者の間にある距離を縮めるためにやっています。患者は手術のために自分の命が失われるかもしれないと知っている状態で来ているということを理解しなければならず、そのため、わたしたちは、そのような困難な決定をなした人々へ敬意を持つ必要があります。

「出る杭は打たれると言われます。世界で最高の心臓外科医の一人として、打たれたことはありますか」
 そうですね、今挙げられたことわざは一部分しか事実ではないと言いたいですね。出る杭が打たれるときはあるかもしれませんが、それは少ししか出ていないときです。杭が、残りの杭よりもはるかに高い位置まで出ていたら、決して打たれはしません。そう考えることで、わたしは若い野心的な外科医にやる気を持たせることができることを望んでいます。

「ライバルはいますか。もしかして、ブラック・ジャックでしょうか」
 大鐘稔彦氏の書かれた漫画の主人公である当麻鉄彦の名を挙げたいと思います。当麻はどういうわけか、わたしに、かつてわたしが若く野心的な外科医だった頃のことを思い出させてくれます。彼は可能な限り最善の手術を行うことによって、患者と家族を幸福にするためにベストを尽くそうとします。ライバルというよりは、彼は、わたしがそうなりたいと思っている種類の外科医の理想像なのかもしれません。

【語句解説】
relationship「関係」 chest「胸」 due「(due toで)~が理由で」 nail「釘」 hammer「ハンマーで打つ」 proverb「ことわざ」 aspiring「野心的な」 rival「ライバル」 Black Jack「ブラック・ジャック(※手塚治虫の描く漫画のキャラクター)」 ideal「理想的な」

CROWN Ⅲ Lesson3/ Section2 和訳 [CROWN Ⅲ]

「お父様を亡くされたことはあなたにとっては痛烈な打撃だったはずです」
 はい、ひどいものでした。わたしが手術をしたわけではありませんが、父の死にはわたし自身が責任を感じずにはいられませんでした。同時に、わたしは、父が自分の命を犠牲にして、わたしに外科医としてなすべきでないことを教えてくれたように感じました。わたしは、わたしの助けを必要としている多くの患者の命を救うために、技術のある外科医になれるよう、できることは何でも行うことに決めました。病院で一日の仕事を終えた後、わたしは夜通し縫合の練習をしていました。素晴らしい外科医がいると聞けばいつでも、わたしは彼らに会いに行って、その手術を観察しました。わたしは、彼らに、自分が完全に満足するまであらゆる種類の質問を行いました。その当時からずっと、わたしは、外科医として常に技能を向上させることのみを考えています。

「それでは、お父様の死から多くのことを学ばれたんですね」
 はい、その通りです。ご存知の通り、非常にかすかなミスでさえ、患者を危険にさらす可能性があります。これは、おそらくは、わたしが父の死から学んだ重要な教訓の一つでしょう。わたしは出会う患者の一人一人全ての命に責任があることが分かっていますので、彼らの命を救うために可能な限り最善の努力をしています。わたしは、「近道をしようとするな。ただなすべきことをこなせ」と、自分に言い聞かせています。「妥協」という言葉は、わたしの辞書にはありません。

「あなたのことを『神の手を持つ外科医』と呼ぶ人もいます。そのことについては、どのように感じていますか」
 そうですね、この比喩はわたしにとっては意味がないと思っています。本当に必要なのは、「神の手」ではなく、手術前の注意深い計画と、状況を計算し予想する能力です。わたしはこれまでに6,000件を超える手術をこなしてきて、この経験によって、危機的な状況で取るべき一連の行動を予想しやすくなっています。手術においては、起こるかもしれないどのような状況にもすばやく性格に対応できるように、五感を最大限使うことが重要です。

【語句解説】
blow「一撃」 devastating「壊滅的な」 sacrifice「犠牲にする」 skilled「技能のある」 stitch「縫合する」 single-minded「一心の」 absolutely「絶対に」 slight「かすかな」 responsible「責任のある」 compromise「妥協」 metaphor「比喩」 calculate「計算する」 critical「危機的な」 respond「反応する」 occur「発生する」

CROWN Ⅲ Lesson3/ Section1 和訳 [CROWN Ⅲ]

「いつ医師になることを決めたのですか」
 子どもの頃、腹痛になったり熱を出したりするといつも、母がわたしを、たまたまわたしの親戚の一人だった小児科医のもとに連れて行きました。どういうわけか、わたしはその医師の医学書や聴診器に魅了されました。しかし、わたしが初めて将来の仕事として医師になることについて考えたのは、高校生の時のことでした。

「医師になるのはたやすいことではないと知られています。あなたにとってはどうでしたか?」
 そうですね、わたしも例外ではなかったと言わなければなりません。高校時代、わたしはどんなクラブ活動も行わず、入試に備えるために塾にさえ行っていました。しかし、3年連続で入試に落ち、ようやく合格したときにはすでに21歳になっていました。今から考えてみると、入試に失敗したことは、結局のところ、悪いことではありませんでした。それによって、医師になるはっきりとした決意を固める機会を得られたからです。

「医学部で勉強を終えたのち、あなたは医師になりました。学校卒業後、あなたはどのような道に進まれたのですか」
 友人の多くは大学病院で医療スタッフとして働き始めましたが、わたしは違った道を選びました。わたしは、患者との接触をより多く持つことになるであろう総合病院で働くことを希望したのです。そうすれば、わたしは、外科医としての技術を高められるだろうと考えました。そこで、わたしは総合病院で仕事を探し始め、何度か断られたのちに、ようやく一つ勤め口を見つけました。

「心臓手術のあと、お父さんを亡くされたとお聞きしました。その件は、外科医としてのあなたに、何かしらの点で影響を与えましたか」
 はい、確かに与えました。父は心臓病に苦しんでおり、その時までに二度の手術を行っていました。わたしが31歳のとき、父の状況は人工弁を取り替えなければならないほど、悪化していました。わたしは、最初から最後までその手術を見ていましたが、手術中、問題が次から次へと続きました。一週間後、父は亡くなりました。66歳でした。

【語句解説】
pediatrician「小児科医」 relative「親戚」 stethoscope「聴診器」 exception「例外」 cram「詰め込む(※cram schoolで塾)」 consecutive「連続した」 determination「決意」 training「訓練」 staff「スタッフ」 general「総合的な」 reject「拒絶する」 position「勤め口」 surgery「外科手術」 definitely「絶対に」 suffer「苦しむ」 extent「程度」 artificial「人工の」 valve「弁」

CROWN Ⅲ Lesson3/ Before You Read 和訳 [CROWN Ⅲ]

天野篤医師は、日本で最も有名な心臓外科医の一人である。1983年に日本大学医学部を卒業したあと、彼は、2002年に順天堂大学医学部に入学する前に、様々な病院で勤務した。

天野医師は、これまで6,000件を超える手術をこなし、成功率は98%である。彼の卓越した技術から、彼のことを、神の手を持つ外科医と呼ぶものもいる。天野医師は、このことを誇張だとする。彼はその成功を努力と絶え間のない訓練、そして彼が患者に感じる共感のせいだとする。

このインタビューにおいて、天野医師は、彼の経験について述べる。入学試験の失敗や、心臓手術の後に父親を失ったこと、外科医としての技術を向上させようと努めていること、そして、彼の患者に関して。

【語句解説】
perform「実行する」 outstanding「傑出した」 consider「考える」 exaggeration「誇張」 attribute「(※attribute O to~で)Oという結果を~のせいにする」 relate「関連付ける」

CROWN Ⅲ Lesson8/ Optional Reading 和訳 [CROWN Ⅲ]

2025年までには、世界人口の3分の2が、水不足であることに気付くことになる可能性がある。よし、そのときは、必要なら作ってしまえばいい。

それは単純なはずだ。基礎的な化学の話である。水は二つの水素原子と一つの酸素原子から成り立っている。水を作るためにはそれらをぶつけ合うだけでよく、そうすれば、世界の水問題は解決される。

理論的にはそれは可能だが、しかし、もしも行ったら、危険なことになる。

水は水素原子と酸素原子から成り立っているが、ただそれらを混ぜ合わせるだけではうまくいかない。それだけでは、ただバラバラの水素原子と酸素原子を持つことになる。それぞれの原子の電子の軌道がつながらなければならず、それが起こるためには、突発的なエネルギーの爆発が存在せざるをえない。

水素は可燃性である。酸素は燃焼を促進する。そのエネルギーの爆発を生み出すことは容易だ。必要なのは火花だけであり、それさえあれば大爆発が起こる。それらの原子の電子の軌道はつながる。そうして、水が得られる。

しかし、また爆発も得られる。もしも大量の水素と酸素を持っていたら、ひどい爆発を得ることになる。どれくらい悲惨なものか確認するために、悲運の飛行船、ヒンデンブルク号のことを考えてみたい。それは浮かび続けるために水素でいっぱいになっていた。大西洋を横断した後、1937年5月6日にニュージャージーに着陸していたとき、静電気が、あるいはもしかしたら破壊工作かもしれないが、それが水素の爆発を引き起こした。ヒンデンブルクは、巨大な火の玉になった。それは30秒以内に完全に破壊された。乗船していた多くの人々が死んだ。

この爆発によって大量の水が生み出されたが、それは繰り返してみたい実験ではない。

世界の水不足を補うために十分な水を生み出すには、非常に危険で大規模な過程を必要とする。かつて人々は、繰り返される爆発を利用する内燃機関は、実用するにはあまりに危険すぎると考えた。もし水がこれ以上ないほど不足し価値が上がったら、誰かが実際に水を作りだす過程を開発するかもしれない。というのも、世間で言うところの「必要は発明の母」だからだ。

CROWN Ⅲ Lesson8/ Section4 和訳 [CROWN Ⅲ]

水が十分にあることと食料が十分にあることは結びついている。しかし、大きな問題の一つは、わたしたちが食物を栽培するためだけに水を必要としているのではない、ということだ。水はまた、あらゆる種類の生産物を作り加工する全ての段階で、必要とされる。おそらく、あなたは毎日どのくらいの水が必要なのか知らないだろう。どのくらいだと思うだろうか。食品や飲み水に存在する分として3、4リットルくらい? 洗いものをするのに15から20リットルくらい? 一日多くても30から40リットルくらい? もしも、平均的な日本人が毎日3,500リットルを超える量の水を使っていると言われたら、あなたはどう思うだろうか。それは事実であるが、どうしてそんなことが可能なのか。

答えは、間接的に消費する水を意味する「仮想水」という考え方の中に見出される。たとえば、1キログラムの牛肉のために15,497リットルの仮想水が必要とされるが、それは、牛のエサになる作物を育てるのにそれだけの水が必要になるからだ。だから、昼食に牛丼を食べるとすると、仮想水を約2,000リットル使うことになる。新品のコットンのジーンズは、6,670リットルの水を必要とするが、そのほとんどは綿花の栽培に使われるものだ。

「ウォーター・フットプリント」という用語は、わたしたちがどのくらい仮想水を消費しているかということを示すために使われる。ある国のウォーター・フットプリントは、その国自身の水資源の使用に輸入した仮想水を足して、輸出した仮想水を引いたものに等しい。日本は一年につき一人当たり1,380立方メートルのフットプリントを持っている。日本は水が豊かだが、その食料自給率はおよそ40%にすぎない。食料を輸入するということは、仮想水を輸入するということだ。実は、日本は輸出する仮想水より15倍多くの仮想水を輸入している。世界にこれほど仮想水の輸入と輸出に差がある国は他に無い。

この大きな差は日本にとって悪いニュースに聞こえるかもしれないが、そう思う必要はない。仮想水の国際取引は、実は良いことなのだ。それによって、作物が最も理にかなう場所で作られることになり、取引相手相互の間で良い関係が築かれることになる。

自然の雨の循環のおかげで、水は資源の中で最も再生可能なものである。もしわたしたちが国家として、そして個人として協力すれば、全ての人に十分な水が行き渡る。わたしたちが、20世紀の緑の革命の良いところと、21世紀の青の革命を一つにすることができれば、明るい青緑色の未来を持つことができる。

【語句解説】
sufficiency「十分であること」 liter「リットル」 concept「考え方」 virtual「仮想の」 indirectly「間接に」 consume「消費する」 cotton「綿」 jean「ジーン布」 footprint「足跡」 import「輸入」 minus「~を引いた(※前置詞)」 export「輸出」 cubic「立方」 per capita「一人につき」 gap「差」 renewable「再生可能な」 virtue「美点」

CROWN Ⅲ Lesson8/ Section3 和訳 [CROWN Ⅲ]

ちょうど20世紀に緑の革命が必要とされたように、21世紀には青の革命が必要とされている。ちょうど緑の革命が三つの柱を持っていたように、青の革命にも三つの柱がある。それは、効率的な灌漑、現実的な価格付け、水の採取、だ。

より効率の良い灌漑を行うためのアイデアの一つは、「点滴灌漑」と呼ばれるシステムである。畑全体に撒く代わりに、水が、管を通して植物の根にゆっくりと水を垂らすことによって、個々の植物に直接与えられる。ヨルダンでは、その点滴法によって、水の利用が3分の1ほど減った一方で、収穫高を上げている。イスラエルの農家は、点滴灌漑と都市の水を畑にリサイクルすることの両方によって、生産性を劇的に改善した。

青の革命の別の柱は、現実的な価格付けである。灌漑用水の値段はしばしば非常に低いため、水を節約しようという経済上の動機付けはほとんどない。ほとんどの国々では、現在のシステムは前世紀半ばあたりに作られたのもであって、その頃は、水は無限にある無料の資源であると見なされていた。水の価格は、より現実的な水準にまで変えられなければならない。

水の採取は、雨と廃水を効率的に蓄えて利用することを意味している。19世紀と20世紀初頭においては、多くのアメリカの家庭が、雨水を採取するための雨だるを持っていた。水の採取は日本では、江戸時代には一般的なことだった。しかし、20世紀において、わたしたちは、安い水道の水のおかげで、水の採取が着実に減少することを見ることになった。21世紀では、水の採取が再び行われるようになるだろう。雨が降る地域なら、ただ水をためるためのタンクか池を作るだけでよい。

都市部では、水の採取は、大規模に行うことができる。廃水は処理されて再利用することができる。図は、これをどのようにすることができるか、示している。

川に捨てられてしまう代わりに、都市の廃水は処理される。
①有害な汚染物質が除去され、一方で栄養分が作物のための肥料として利用される。
②処理された水は点滴灌漑に利用される。
③農家の新鮮な生産物が都市で売られる。

このような水採取工場はお金がかかるかもしれないが、長い目で見れば採算が取れる。
【語句解説】
efficient「効率的な」 pricing「価格をつけること」 harvesting「収穫すること」 tube「管」 Israeli「イスラエルの」 incentive「動機」 unlimited「制限されていない」 wastewater「廃水」 barrel「たる」 steady「着実な」 decline「減少」 tap「水道の蛇口」 revival「再生」 illustration「図」 contaminant「汚染物質」 nutrient「栄養素」

CROWN Ⅲ Lesson8/ Section2 和訳 [CROWN Ⅲ]

緑の革命には多くの意図しない結果がある。アラル海が干上がったことは、緑の革命が一因である。インドでは、少なくとも4分の1の農家が、自然が元に戻すことができない地下水を使い続けている。化学肥料は、地下の井戸から取れる飲み水の汚染の原因になっている。国際水管理研究所の関係者は、「状況は悪化している。破滅への旅のようなものだ」という。

水不足は現在世界中で見られ、食糧不足が20世紀の深刻な問題であったのと同じくらい、21世紀にとっての深刻な問題になるかもしれない。2025年までには、18億人が、絶対的に水が不足している国々もしくは地域に住むようになり、世界人口の3分の2が、水にストレスを感じる状況下で生きることになるかもしれない。

農家は食糧生産のために十分な水を得られていない。都市部では、人口の増加と経済の成長に伴い、水を求める争いはますます悪化している。

世界の陸地の4分の1はその質が低下している。多くの大河が一年のある時期に干上がる。ヨーロッパと北アメリカの湿地の半分はもはや存在していない。多くの場所で環境への影響は回復不可能になっている。

水不足は現在、緑の革命を脅かしている。将来的に十分な食料を生産することは、よりよく水を利用することを目標として今まで以上に努力しなければ、不可能である。長い間、農業生産における進歩は収穫高、つまり土地の一地域から得られる生産物の量、という観点で測られていた。水が不足がちな地域では、土地の単位面積あたりの収穫高を最大化することよりも現在、利用される水の単位量あたりの収穫高を最大化することの方を重視すべきである。そうするためには、優れた農業を行うとともに、雨水と灌漑用水をよりよく利用しなければならない。

【語句解説】
underground「地下の」 management「管理」 institute「研究所」 scarcity「不足」 water-stressed「水分の供給障害のある」 urban「都市の」 growth「成長」 degrade「降格させる」 wetland「湿地」 maximize「最大化する」 unit「単位」 maximum「最大」 combine「結合させる」

CROWN Ⅲ Lesson8/ Section1 和訳 [CROWN Ⅲ]

1960年代、世界規模の食糧不足が起こった。1958年から1961年にかけての中国大飢饉によって、少なくとも1,500万人が亡くなった(人によれば、3,000万人を超えるという)。アジアとアフリカの何千万人もが飢餓に直面した。何かが為されなければならなかった。科学者たちは政府と一般の農業経営者と協力して、一つの解決策を見出した。それが、緑の革命である。

緑の革命には三つの柱がある。新たに作物の種類を増やすこと、化学肥料と殺虫剤、灌漑である。世界の食糧生産には、すばやく非常に明確な効果が表れた。20世紀の終わりまでには、農業の生産性は、世界中で劇的に向上した。

緑の革命は大きな成功を収めた。歴史上初めて、アフリカとアジアは、そこに住む人々に行き渡る十分は食料を手に入れ始めたのだ。インドは飢餓の循環を終えることができた。

しかし、意図しない結果もある。非常に多くの水が灌漑に使われた結果、水の供給が不足し始めている。肥料は多くの国で地下水を汚染した。

水の不足は世界中でますます多くの問題を引き起こしている。ある劇的な一例として、中央アジアのアラル海のことを考えてみたい。海と呼ばれてはいるが、それは、実際は湖であって、かつては世界で四番目に大きな湖であり、九州と四国を一つにしたほどの大きさの地域に広がっていた。アラル海は、青い水と美しい砂浜、にぎわう漁港で有名だった。

1973年、1989年、2000年のアラル海の写真を見てみよう。前のものよりも、はるかに小さくなっている。その地域の漁業は衰え、大きな経済的な困難をもたらしている。

アラル海に何が起こったのだろうか? かつては二つの大きな川がアラル海に流れ込んでいたが、今日では、その水のほとんどが灌漑に利用されて、干上がりつつある。また重度の汚染もある。アラル海が後退したことで、その地域の気候が変動し、夏はより暑く乾燥するようになり、冬はより寒く長くなった。その結果は、「地球上で最悪の環境災害の一つ」と呼ばれている。

【語句解説】
pillar「柱」 fertilizer「肥料」 production「生産」 dramatically「劇的に」 cycle「循環」 unintended「意図しない」 consequence「結果」 supply「水の供給」 pollute「汚染する」 groundwater「地下水」 dramatic「劇的な」 Aral Sea「アラル海」 combined「結合した」 port「港」 industry「産業」 economic「経済の」 hardship「困難」 retreat「撤退する」

CROWN Ⅲ Lesson8/ Before You Read 和訳 [CROWN Ⅲ]

その年は1960年である。新聞の見出しは日常的に食糧危機を警告している。中国やサハラ以南のアフリカの大部分には飢餓がある。世界の他の多くの地域では、人々は栄養不良に苦しんでいる。先進国でさえ、多くの子どもたちが、毎日お腹を空かせた状態で、ベッドに入っている。世界規模の災害を避けるために、近いうちに、何かが為される必要がある。わたしたちには、「緑の革命」が必要だ。

その年は2010年である。新聞の見出しは世界の水危機について警告している。中央アジアでは湖が干上がりかけている。アジアや中東では川が干上がりかけている。アメリカ中に干ばつが猛威をふるっている。近いうちに、何かが為されなければならない。わたしたちには新しい革命が必要だ。それは、「青の革命」である。

【語句解説】
revolution「革命」 headline「見出し」 warn「警告する」 crisis「危機」 famine「飢餓」 Sub-Saharan Africa「アフリカのサハラ砂漠より南の地域(※世界で最も貧しい地域)」 malnutrition「栄養不良」 avert「そらす」 sweep「荒れ狂う」
前の10件 | -